Bambino Italiano

イタリア在住岩田デノーラ砂和子が、現地日常の「子育て」を密着レポート!
日本との違い、新しい発見…何が飛び出してくるか…?お楽しみに!

vol.10
「ファミレス」はないけれど…
子連れ旅行がしやすい国イタリア

イタリアの街を歩いていると、「子供連れ」をよく見かけます。電車やバスなどの乗り物でも、中心街のお店や高級店が並ぶショッピングストリートでも。ベビーカーを押したマンマや赤ちゃんを抱っこしたパパの姿があります。イタリアの子供たちが、ひときわ大人しくて連れて歩きやすいのか?と言えば、まったくそんなことはありません!騒ぐ、走り回る、泣くは子供の専売特許。元気いっぱいの子供たちを温か~く見守る雰囲気が街全体にあるような気がします。

しばしば「イタリア旅行に行きますが、子供連れでも行けるレストランやトラットリアはありますか?」といった質問をされることがありますが、よほど高級でエレガントなお店でない限り、子連れNGの店を探す方が難しいくらい。イタリアにファミリーレストランはありませんが、子連れだからと外食を控えるなんて話もあまり聞いたことがありませんし、大人が行く「普通の」お店で大人に混ざって子供たちも一緒に食事を楽しんでいる風景を、ごく当たり前に見かけます。…得てして、イタリア人は大人もたいがい「うるさい」ですから、多少子供たちが騒いだって気にならないのが実情かも?

子供を連れて歩けば、見知らぬおばさまに「あら、カワイイ!」と気軽に話しかけられて驚くこともあるかもしれません。そんなときは、「Grazie!」と称賛をありがたくいただいておくのが、イタリア流。特に、日本人の子供は大人気です。イタリア人の友人に言わせると、「みんな、可愛らしい顔をしてる」からだそうですが、クルクル金髪ヘアにクリクリの大きな目…の外国人の赤ちゃんがとみに可愛らしく見えるように、イタリア人にとっては、遠いアジアの国の黒髪の赤ちゃんは、魅力的。注目の的になってチヤホヤされるのが困るわ…なんて人でない限り、イタリアは子連れ旅行がしやすい国のひとつです。

イタリアの子育て事情イメージイタリアの子育て事情イメージ

Vol.11
マンマに優しい?!
痛しかゆしの産休制度

とあるイタリアの週末…友人の友人が開いたリストランテのオープニング・パーティに行ってきました。美しい海辺のリストランテ。お祝いに駆け付けた人たちでごった返す中、挨拶に現れたオーナーは、なんと妊婦!でした。しかも妊娠10カ月@@。イタリアでは、何事も予定通りに行きませんから、工期がずれにずれて、出産直前のオープニングになったとは容易に想像できますが、そろそろ生まれてもおかしくない?!大きなお腹を抱えて、集まってきた人々のアテンド&ホスト役を務めるその姿に、思わず、「イタリア人なのにスゴイ!」と驚いてしまいました。

イタリアには、日本とは比べ物にならないほどの手厚~い産休制度があります。出産前2カ月+出産後3カ月(場合によっては出産前1カ月+出産後4カ月)のトータル5カ月間のお休み義務、そして、その間は80%の給与補償(他、さまざまな保障をプラスするとほぼ100%になる)です。日本の場合は、出産前42日+出産後56日のお休み…しかも請求した場合ですよね。それに給付金も100%ではない。
イタリアでは、さらに、産休後に続けて6カ月までの育児休暇も保障されており、その間は30%の給与が支払われます。

彼女のような自営業者の場合は、「自分の意志」で産休するかしないかを決めることになりますから、会社勤めをしていた方がお得?!な感じもしますが、実は、産休育児制度が手厚いばかりに、出産前の女性や出産する可能性のある女性が就職しにくいといった現実問題も裏にあります。雇い主としては、長期休暇中の給与補償が前提になりますから…。就職か出産か?悩む女性は多いのです。手厚い制度があっても…このご時世なかなかままならず。イタリアは、ヨーロッパでも少子化の進む国のひとつです。

ちなみに、この産休制度について、別のイタリア人女性は、「足りない」と言っておりました・笑。彼女は二人の子供を抱えるサラリーウーマン。これ以上休みが欲しいって…。すでに権利を手にしている人の要求は、とどまるところ知らず…?

イタリアの子育て事情イメージイタリアの子育て事情イメージ

Vol.12
なんと3ヶ月も遊び放題?!
うらやまし過ぎるイタリアの夏休み

日本も夏休みシーズンが到来しましたね。日本の子供たちの夏休みは、約1ヶ月半が標準的かと思いますが、イタリアは…と言えば、なんと3ヶ月間も夏休みがあります!ちょっと驚きの長さですよね。小中学校、高校は、だいたい6月上旬~中旬に終業式があり、次に学校が始まるのは9月中旬。その上、イタリアでは9月が学年の変わる新年度の開始月になりますので、「夏休みの宿題」もほとんどありません。夏休み開始前にいわゆる学年末の発表会やイベント的なものがあり、それが終われば、3カ月遊び放題!子供たちにとってはとっても素敵な環境です。

この長~い夏休みの間、何をして過ごさせるか?夏休み計画には各家庭が頭を悩ませることのひとつになります。イタリアでは日本と比べてお休みが取りやすい国ではありますが、いくらなんでも3ヶ月間も子供と一緒にずーっとお休みができる親…というのもそうそういるわけでもありません。イタリアでも夏のバカンス日数は、以前と比べて減っていて、2週間~3週間が平均的(それでも長い?)。

おばあちゃん・おじいちゃんのお家に預かってもらい、お休みがとれたら親子が合流する。専業主婦のマンマの場合は、夏休み開始と共に、子供とマンマだけが海や山の別荘に移動して、パパは週末だけ合流する。はたまた、各地で開催される子供たちを対象とした長期キャンプに参加させたり。いずれにしても、親たちも、この3カ月もの長い夏休みを経験して育ってきてるわけですから、この間の過ごし方については、経験豊かな(笑)プランニング力でのりきります。

宿題もなく、遊び放題の3ヶ月の夏休み。こうして育ったイタリア人たちが、「夏は休むもの」と思いこんでいても仕方ないかな~などと思うことしばしばです。今年の日本は節電の夏。お休みが取りやすくなったと噂に聞きますが、1ヶ月半の夏休み(+宿題や夏季講習)しか経験したことのない日本人にとっては、長く休む=罪悪感になりかねないのがツライところですね。

イタリアの子育て事情イメージイタリアの子育て事情イメージ

デノーラ佐和子さんイメージ写真

岩田デノーラ砂和子

慶應義塾大学卒業後リクルート入社。旅行誌の編集制作に携わった後、フリーに転身。2001年からイタリアに拠点を移し、「なぜか常に幸せそう?」なイタリア人の生態を日々研究。雑誌・WEB・ラジオ・TVなど、日本のメディアにイタリアの今情報を発信!著書にエッセイ「ローマの平日」、「トスカーナの暮らしとインテリア」「お買いもののイタリア語」などがある。イタリア暮らしの毎日をつづるブログ「ローマの平日 シチリア便り」も人気。

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